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雑記

潰されると選択肢もみえなくなる。

ギリギリになって私のところに駆け込んできた学生がいます。

昨年、

英語が偏差値40前半ぐらいだったのを1年で60まで上がってあげた学生で、

今年は「他の科目も鍛えなきゃだからさ予備校に通って医学部受験を目指しなー」って

旅立たせたのですが、ここにきて戻ってきました…とっても残念なお話です。

基礎はできているのであとは問題演習だけだなーって思っていたのですが、

見事に教わっていた先生に質問攻めされてしまい、できない自分に卑屈になったようです。

うーん、正直先生も配慮しなければと思うところもあるのですが

(仲のよい先生なので言いづらい(笑)私はいい先生だと思っているのだが……

合わなかったようです)、

まあそれ以上に量に耐えきれなかったのは

生徒の努力不足もあるよなーっとも思っています。

要は、生徒がつぶれてしまったわけですね。挫折を痛烈に感じてしまったわけですよね。

うーん、厳しいですね。

そこで、物腰の柔らかめ(内心はどす黒い)の私のところに戻ってきたのですが、

傷は結構深め。英語が嫌いになってしまった状況でした。

去年はあんなにげらげら笑って授業をしていたのに……。

英語を楽しむことの重要さを彼女の表情の変化から学びました。

(うん、漫談のようなノリの授業(内容はあると思う)はあながち悪くないのだ!

と信じている)

さすがに知っている学生ということもあり、心配になり、

少々長めにお話をして、どれだけできなくなっていたかを見ていきました。

しかし、どうでしょう。全然できないわけではないんですよね。

基礎的な構文力とか単語力(単語帳一冊は覚えている)は備わっているんですよ。

ちょっとむずかしめな問題は相変わらず手を出さずにいたのですが、

センター試験の英文を読むレベルでしたら、ほぼ問題ない状況でちょっとホッとしました。

しかし、問題なのは次の発言。

「うーん、どれが答えなのかもはや判断がつかない。」

基礎があって、全訳もできてもどれが答えかわからない。判断がつかない。

国語力に問題がある学生でもありません。

むしろ読書女子で人よりも本を読むので彼女の国語力に大きな問題ありません。


こういったパターンは時々あります。

こういう場合の多くは、私が理科が嫌いであるように

トラウマがあるのですよね。

彼女の場合は、「完全に文法的な根拠を探らなければならない」パニックに陥った状況でした。

確かに英文法を知ることは大事で、基礎を固めることに繋がるわけですが、

やはり突き詰められて、できないと嫌になってしまいます。

基礎もほどほどにして、実践的に覚えてしまった方ができるということも

あるわけですよね。文法がなんか見えなくてもわかるときってありますよね。

そんな学生には敢えて、文法を細かく教えず、基礎の基礎をしっかり叩き込んで、

文法的に解釈させるよりも、

内容や単語の意味から推測させるほうへ力を分散するように指示します。

嫌なものをずーっとやっていてもできるようにはなりません。

道を変えて、最終的にゴールに行き着けばいいんですよねと

彼女の中の考えを一変させました。(詳細は私のシークレットな作戦なので語りません(笑))

そのやり方はリスクがあるのですが、その学生は

「それでもやって成績が上がる見込みがあるなら、やって見せます!」

と腹をくくって勉強する姿勢を見せてくれました。


嫌なことが起こると、何でも悪い方へ物事をとるようになります。

例え、親友が言ったことであっても、なんか実は裏があるんでしょう?

と疑心暗鬼になってしまうことは少なくありません。

それと一緒で、勉強をしている間や先生の授業でその科目が嫌になってしまうことで

何のためにやっているのかとか、この科目が何に役立つのかとか、

ちゃんとやっていても設問の選択肢がすべて合っているように見える

といった状況へ向かってしまうわけです。

今まで培ってきたものへ猜疑心を持ってしまうと、答えは出てきません。

だから、絶対にしないでほしいのは、「やってきてないよなー自分…」

というフレーズで終えてはいけないことです。

このフレーズに必ず、「でも、培ってきたものはいつかつながるから、

もっともっと使える知識を増やし、それをどう使うかを考えよう。」

と続けてください。

今持っている知識は、必ず皆さんを正答へ導きます。

自分を信じて、そうだと思った道を進んでください。きっといいことがあります。

潰れて選択肢を消すよりも、自身を膨らまして(誇張してでも)選択肢を増やす。

これは設問を解くのも、人生観も同じように思います。

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