去年まで教えていた中学生の教え子だった学生は、
(現在その学生は全寮制の学校に入り、東大を目指しています。頑張れ―)
そのお母様から話を聞いたのですが、
10分間決まったルートで散歩をするぐらいの距離を30分かけて帰ってきていたそう。
彼は散歩に出て、あることに目がいってしまうと、
またはその散歩でふと気づいたことがあると、その方向へ向かってしまうようです。
または立ち止まって思索し始めるようです。
病気か。いやいや、これは個性として私は捉えていますし、他の人々もそうでしょう。
それだけ外部の情報に敏感なのでしょう。芸術肌ですね。
しかし、この敏感さがあだになります、ある分野で。
そう、国語と英語と数学です。この科目たちの共通点は何でしょうか。
文章がある方向へ向かってしまうと、帰って来れなくなる科目だということですかね。
要は本質を捉えていないと、すべて間違えてしまうということです。
それは航海術とコンパスを持たずに、大秘宝One Pieceを探しにいくようなもので、
無謀すぎます。
この傾向は中学生の男の子に多いように思います。
他の学生が気になり、注意が散漫し、ある自身の眼にとまったものこそ
最強の情報だと思い込んで、すべて誤読を繰り返し、正答が得られない。
国語の文章や、英文が読めないのではないのですよ。
道筋通りに読めないのですよね。
散歩も家に帰れないのではなくて、まっすぐ帰ってこないだけです。
勉強は私生活の鏡だと誰かが言っていましたが、本当にうまいこといいますな。
こういう学生には、宿題を出して問題をやらせてくるというよりは、
当日授業で問題を指示して解かせて、時間内にやるんだよーって厳しく制限し、
解答させまくった方が、生徒の実力は伸びます。
だから、この学生には最後の最後まで予習はやらせず、
その場で新しい問題or復習問題をテスト形式ですべて解かせ、
関西の有名私立高校へ進学しました。(しかも特待。)
時間通り戻ってくることと、ルートを外れないようにすることを指摘する。
国語で言えば、解説の時に説明する内容の流れが合っているかどうか確認し、
英語で言えば、各段落の繋がりが正しい方向へ向かっているかを確認し、
それをどこで読み取れなかったのかを探し、指摘することで
その学生にとっては最高の授業になってしまうのです。
寄り道は余裕があるときや、研究者になった時、
または寂しくてどうしてもお酒とか飲みたくなった時にしましょう(笑)
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