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2013
07.19

勉強における技巧の伝承

Category: 雑記
ニーチェの『悲劇の誕生』という研究書を手にとってみたのですが、

彼は自分が生きた時代の感覚をすべてカッコづけにして、

古代ギリシャ悲劇を生身で経験しようとした超特殊な研究法にビビりました。


しかし、日本で唐傘や輪島塗をみると、

同じようなやり方で伝承しているものはたくさんあることに気付かされます。

伝統工芸を次世代に伝承するために、師は決まってこう言うでしょう。

「師を見るな、師が見ているものを見よ」

弟子が「師の背中」をみている限り、弟子の成長はありません。

それよりも師匠は弟子に手とり足とりに指導するのではなくて、

弟子の視座を「師の視点」へ向けてほしいと願いをこめて、

このように弟子にいうのです。

弟子が「いまの自分」を基準点にして、師匠の技巧を解釈し、

それを基に模倣するレベルでしかなければ、

その伝統工芸は一気に衰退し、劣化の道筋をたどるでしょう。

そのために、弟子は「師の視点」、「師の欲望」、「師の楽しみ」に

照準を合わせなければならないと思います。


ニーチェはこういった技法を文学や哲学で応用し、

「我々は我々自身を理解しえない」という超難解な批判的言動を

発するようになるわけですが、ここから自分は「いまの自分」から

離れて自分をみることで初めて自分がわかるんだ

ということに気がついたのだと思います。



今の学生さんの中には残念ながら猿真似レベルの努力さえも

怠っていることがあります。

確かに、師が生徒に、

もう少し視点をわかりやすく見せる努力をしなければならないかもしれませんが、

それでも、「もう少し説明聞いてるんだったら、覚えてこようね」と

思わざるを得ない状況は日に日に多くなっているような気がします。

それは、学生さんが師に対する独自の解釈を入れすぎて、

模倣する前に、師の技巧を基にしたオリジナル(加工)を作り出してしまうわけです。

「オリジナル」の時代、「オンリーワン」を尊重する時代とはいえ、

それでは先人が残してきた遺産(学問も芸術も建築物なども)は切り捨てられて、

現代へ何も影響しないものとなってしまいます。


勉強において、学生(学者)はオリジナリティを創り出す前に

まずは師が言っていることを正確に解釈することから始めなければなりません。

つまり、授業でいっていることがちゃんとわかって、

練習問題がその解釈を経て手に入れた知識で解くことができるか、

そして、どの程度応用できるのかを予測する(応用問題をやるでもいい)までの作業を

しっかりこなすということです。

それが英語以外でも同じようにできれば、「できない」ということはまずなくなります。

本質を掴んでください。

そして、「いまの自分」は本当にできる「自分」であるのかどうか、常に疑問に思ってください。

さらに「いまの自分」からあえて距離をとって、(ライバルに同じ問題を解かせてみるとかして)

自己認識をさらに深めて、理想の自分に近づいて行くようにしてください。

その事を経てから、逆転できる思考を無理なく作ってください。

そういう生徒さんほど必然と志望校へ近づいていきます。


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