先週の日曜日に、講演要請があってお話をしてきたわけですが、
早い段階からしっかり準備しようとする生徒さんが多く、
私は非常にうれしく思いました。
講演と言ってもたかだか20分でしたが、ご清聴いただけたかと思いました。
さて、
そのあと私を指名して、英語の件でお話ししてほしいとのことで、
個別相談も受けました。
その中で展開した話ですが、皆さんも同じような悩みを抱えていると思うので
共有できたらと思い、ここに書き残しておきます。
さて、ネタですが、
「英単語帳を2冊も覚えてもなかなかスコアにつながらない。
どうしたらいいでしょうか。」
ということでしたが、これは非常にへこみますよね。
こんなにもやっていて、どうしてダメなんだと意気消沈してしまうと思うんです。
でも、こういう結果に陥るのは単語を単発的に覚えている証拠です。
昔ある生徒がこう私に歩み寄ってきました。
「先生、僕は英単語を1万語も覚えたのに、どうして読めないのでしょうか。」
その彼は私の前で涙ぐみ、私ももらい泣きしそうでしたが、
彼と話しているうちに欠点が見つかりました。
その欠点とは、単語を覚えているだけで読み込む作業とのバランスが悪いからです。
どんなに単発で単語を覚えていても、読む経験がなければ読めません。
2万語覚えた彼は単語を覚えることに満足しており、
ほぼ読む作業を怠っていたのです。
「単語を覚えれば読める」
確かに事実ですが、もう少し思考を働かせてください。
日本語で難しい単語をたくさん知っていても、使えない単語は多いはずです。
それはその語句を熟知していない証拠なわけで、
単語は文章で使われて、
その中でわかって初めて自分の語句になるんだというぐらいに
考えていてほしいです。
というわけで単語を覚える作業をする時は、例文を必ず2~3文は読みましょうね。
また何度も同じ単語を覚えるのが嫌だという人は、
今度は派生語を意識して単語を覚えていくのはどうでしょうか。
単語をたくさん覚えていくと、だんだん行き詰っていきます。
しかし、それはやはり単発に覚えすぎているからであり、
本来はそんな感覚にならないはずなんです。
覚えていくうちに、dis-は否定内容なんだとか、
com-は「共に」なんだという接頭語・接尾語の感覚がわかったり、
「fundamental(根本的な)はfund(資金)と関係性があるな」
というような類義語も想定できるようになっていくはずなんです。
そういった思考を張り巡らせながら単語を覚えてください。
respectiveがどうして「各々の」という訳になるのかを考えてみると、
respectに「点」という意味があるから、
そこから派生してきたんじゃないかというように予測して、
基にあるrespectの意味まで復習できるわけで、
単語の意味合いがどんどん広がっていきます。
元々5000単語ぐらい覚えていれば、この派生語遊びを繰り返しているだけで、
2~3か月で1万語覚えてしまう人もいるでしょう。
そして、それを繰り返しながら英文も読んでいけば、
ある日突然英語が「わかる」という感覚がくるでしょう。
ただ単語帳を覚えればいいという短絡的なゴールを作らないでください。
それは目安のために言っているだけで、ゴールではありません。
個別相談をした彼にはエピソードも踏まえて細かく話してあげましたが、
読んでくれている方にもそのエッセンスが伝わればなと思いました。
行き詰っても派生語を覚えて前に進んでください!
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