FC2ブログ

合格に感動。生徒から勉強させられたこと。

まだ早稲田大学の合格発表が出ていませんが、

今年の大殊勲は間違いなく現役で法政大学に合格した学生です。

これは私もものすごくうれしくて涙があふれました。

手塩をかけた学生でもあり、思い入れがあります。

そんな生徒のお話をします。(生徒には容認済です。)

少々長いです。

でも、勉強とは本来こういうものだ、

道を外れてから戻るためにはこういう泥臭い努力もしてみるものなんだと、

実感したい人は読んでみて下さい。

彼は申し訳ないですが最初から秀才ではなかったのですが、

これだけは言いきれます。彼は紛れもない負けず嫌いの努力家でした……。




その学生を見始めたのは、名古屋で最初の家庭教師として仕事をした生徒で、

中学校不登校になっていた学生でした。

うーん、今だから言えますが、

「とりあえず平穏に日々が送れるようにできればいいや」

と思って指導していました。

それぐらい意気消沈していた学生で、

たまに「死んだ方がいいのかな」と思い詰めていたほど…。

いやー、「まだまだ死ぬのは早いよー」と私は軽くいっていましたが、

(あの時は軽率だった…)

本人からしたら相当なトラウマを植え付けられており、

その学生は崖っぷちに立たされていました。

もちろん、お世辞でも勉強はできると言えません。

数学は小学校3年生のグラフ処理から危ういし、

英語は小文字のa~zまで書けない。国語の漢字はほぼ適当…。

中二の時点で、ここまで落ちぶれており、

あとはゲームと漫画とフィギィアの世界へどっぷり浸かり、

自分が作り出した世界から一切出ようとしませんでした。

しかし、彼はどこかに焦りはあったのでしょう。

勉強を形式的にでもいいからやろうと思い、家庭教師だけは続けていたようです。

しかし、私が来るまでに10人変わっており、

塾でしか教えたことがなかった私がそんな難易度の高い学生を扱えるのかと

思っていたわけですが、

1ヶ月私なりに考えて彼に伝えたときに、彼はこう言いました。

「なんか、すごいよね。プリントは持ってくるしさ、しかも自前だし。

説明も飽きないよね。」

1ヶ月でなんとか打ち解けることができたのですが、

私はそれでも後々のことを考えて、カウンセラーさんにお任せするように

親御さんとお話しして、カウンセラーさんと二人三脚で授業をし、

最終的には私は退こうと思っていました。(すいません、本当のことです。)

しかし、親御さんに言われたのは、

「彼はカウンセラーよりも私のことを残すべきだ」という所望。

引くに引けなくなり、最終的に受験までみようじゃないかとなりました。

ここまで、指導開始から3か月かかっています。



そこから中学3年生の勉強ができるまでに引き上げようとしたのですが、

本当に0からの出発でした。

1年勉強せずに来たこと、そしてそのときまでにまともに勉強をしたのは

中学受験の3か月間のみで、

小学校のテストの頃から点数を取る努力を怠っていたとわかったときは

さすがに苦悩しました。入る高校が本当にありませんでした。

それでも夏に私は毎日その生徒のうちに通って、勉強をしていました。

何をやらせたかというと、ひたすら中学1年生の文法事項です。

動詞にsをつける訓練、どうして疑問文はそうなるのか、

単語の反復練習……。

おそらく人の5倍やって、やっと普通のレベルに到達するような学生でしたので、

ものすごい量をこなしたと思います。

超高速にこなすなんて、当時はとても無理でしたので、

中3のときにやれたことは中学2年生の真ん中ぐらいの知識がなんとか使えるかな?

というレベルまででした。

また、社交性を取り戻すために外に出て勉強をしたり、図書館で勉強したり、

コンビニの行き方なども指導しました(指導じゃないか(笑))。

そんな感じでとにかく覚えさせるために、理解する力をつけるために

ひたすら同じ問題集を何十回もこなしていました。

中1の問題集はとにかく同じものを20回はこなしているのでボロボロです。

それを1年繰り返し、高校へなんとか合格させました。

決して進学校ではありません。テストをそれなりにこなし、

レポートを出して、行けば何とかなるような学校です。

本人も高校に受かった時はちっとも嬉しがっていませんでした。

そのときはまだまだ生徒自身が、囚われの身のように思っていたのかもしれませんね。

私もただの繰り返しで、数学や国語もいうほどしっかりやらずに

英語だけで乗り切った…しかもそれでさえも不十分すぎる内容で、

満足などと言うレベルにはとても達しませんでしたが、

その反復練習をしていて彼の意識の中で得たものが一つありました。


それは、「勉強するといいことがあるのか?」という疑問です。

私は言いました。

「勉強することは結局人生を生き抜く術を習得することでもあるから、

決して逃げることはできない真実さ。レベルは別にしてね。

だから、勉強を少しでもしたら自分の負担は少しでも軽くなるのではないかねー」

と(いう内容だったはず)。

高校に入った当初は自身の夢をはっきりさせてくれませんでしたが、

「その夢を達成するためにも、勉強を怠って成就することはない…」

ことをしっかり説明したところ、

高校に入ってからしっかり勉強をこなすと約束し、

大学受験をするために何をするべきかをしっかり話し合いました。

そして、最初はどこの大学に行くというよりも先に、

「できないことをできるようにしよう」という目標にして、

国語と社会と数学と英語の総復習をしました。

復習というのは、小学校の内容からです。

特に数学の復習は大変でした。プラスマイナスの四則計算から始めて、

なんとか赤点ギリギリを乗り越えてきました。

文系科目も英語以外はかなりギリギリ。

英語は高校1年終了時にはなんとか英検三級が取れるレベルにまでなり、

このときは受験が合格した以上にうれしがっていました。

このときの勉強方法はやはり反復ですが、少々精度と速度が上がっていきました。


そして、この時同時に目標が出来上がってきました。

彼は「文系学部に行って、ビジネスをするんだ」という目標をたたき出してきました。

ここから勉強するピッチが上がってきました。

中2から3年して、この時点で初めて勉強する体制になった瞬間でした。

高校の内容レベルでどのぐらいできるのか、

自分の立ち位置を把握するために

代々木ゼミナールの模試を受けさせてみたのですが、

偏差値はまさかの30代前半。

本人はさすがにへこんでいました。私もへこみました。

しかし、現実は受け入れなければなりません。

私と彼は週4回3時間授業を敢行し、

もう学校のことよりも自分の勉強するために、

学校を通信制に切り替え、科目も英語と国語と政治経済に絞り、

とにかく反復練習の方法で知識を積み上げていきました。

私も正直大変でした。

毎日リハビリみたいなことをするのは地獄で気が狂いそうでした。

しかし、生徒がやる気を出したからには引けません。

とにかくやりましたよ、NEXT STAGE、英頻、ターゲット1900、速単必修編、

ポレポレ、国語のセンター試験の過去問、吉野先生の古典実況中継、

山川の政治用語集の丸暗記…などなど。

2年ぶっちぎりでやりました。もう荒行に近かったです。



なぜやれたのか……。私にもわかりません。

きっと、彼は「変わりたかったんだ」と思います。

そして、それに寄り添う人がいなくて、

そうやって頑張ることがカッコ悪いと思っていて、

どうすればいいのかわからなかったが、私といろいろな話をして

自分の今後の人生へ少々開眼することができたのかなとは思っています。


もちろん、すんなりいってはいませんよ。

私はその生徒ができなすぎて怒り狂ったときに、

彼は「僕はもう勉強する価値もない人間なんだ」と意気消沈しきって

指導もすべてキャンセルしようとしたこともありました。

政治経済ができなくて泣き崩れて、寝込んだ日もあります。

精神が統一されながらやってきたわけではありません。

でも、私が励ますことで少々の自信を回復し、

彼が勇気を振り絞ったから勉強をそれなりに成就させることができたわけですよ。


そして、残りの1年は一般受験で戦う力がそれほどなくて、

センターに絞った勉強をして、

センター試験の過去問を過去全教科30回分解きました。

それを繰り返して、反復作業をとにかく繰り返し、

テストし、書きまくり、1年が過ぎました。


そして、先日その生徒は何を手にしたか。

彼はセンター試験の三教科のアベレージ約81%の結果と、

法政大学の経済学部の合格通知を手にしたわけです。

私の中では、

法政大学はレベルが落ちたと言われても、

一朝一夕の努力で勝ち取れるほど安くはない

ある程度の実力が示されるべき合格通知だと思っています。

「進学高で有頂天になり、謙虚に勉強してこなかった学生よりも

彼は遙かに偉い」と彼を誇れた瞬間が、私にも来ました。

そして、これでもう自分の道に大きなブレを引き起こすことはなくなると

信じています。だって、5年の大きな代償と引き換えに、

18年分生きたことを凝縮した大きな自信を手に入れたわけですから。


そして、私は今回ほどこう思うことはありません。

「勉強した者は、勉強する者よりも凛々しい。

そう、勉強したという発言は、勉強した後に言え。

つまり、始める時間が遅くなろうと、あるところまでは到達できるということ。

そこでまだ足りないと思うのなら、やればいいし、

そうでなければ、そこでやめて違うことに没頭すればいい。

とにかく、やり抜いたことがないやつに

偉そうに処世をほざく場はどこにも用意されていないのだ」と。


本当に心からおめでとうといいたい。私も勉強させられました。

彼に負けないように、私もまた勉強します。
cancan
Posted bycancan

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply