新聞をかたづけいるときに、
12月25日の朝日新聞の一面中央に「国公立大学の定員削減」
という見出しが私の眼に入ってきました。
その記事を読んでいると、「あー、まあもっともな判断だ」
というように思う次第です。
佐賀大学経済学部が顕著に削減を始めたわけですが、
今後もこのような行動をとる大学も多々出てくるでしょう。
こうした行動の背景には学生の学力低下がちらついているわけです。
さて、私もこの稼業を名古屋で4年目になるのですが、
この学生の「学力低下」について指導していても目についてしまいます。
また、偏差値50を切っても平気で「国立にいきたい」、
センター試験の得点率の予想が60%あるかないかでも、
「国立に何とか食い込めないか?」という声が私のところにも届いてきます。
しかし、私はこういう方々に一言。
「国立大学に入るために、センター試験が60%で入るなんてなめてる!」
私はこれまでセンター試験のスコアで70%を容易に取れない学生には、
私立を進んで勧めてきました。
まあ科目数が多い分、
煩わしいものを排除して「私立の最上位を目指そうよ」というように、
すこしでも状況を良くしようという思いからも勧めるのですが、
それ以上に国立大学に低い学力で入ってしまえば、
その土地にある企業や地域に馬力がなくなると考えているためです。
私が言うのもあれですが、
名古屋では、はっきり言って「名古屋大学」に優る大学はありません。
ほぼ無敵。「名大」という名前を聞けば、次に返す言葉は
「すごいね。」、「頭がいい」、「いいなー」といったものでしょう。
あ、これは自慢するために言っているのではなくて
次のことが言いたいからわざと強調してみました。
つまり、名古屋のインフラとか大きな基盤というのは、
(大学の名前で言えば)「名古屋大学」によってつくられていると言っても
過言ではないのです。
(まあちょっと言い過ぎなのはご勘弁。
私自身はそれほど名大が優秀だと思っていませんが、
重要なポストにはやはり名大生が流れ込んでいるように思う。)
要は、名大のクオリティーが下がれば、
名大生の多くが名古屋で就職して、また名古屋に元気を与える上で、
大きな支障が起こってしまうわけですね。
名古屋という土地は非常に閉鎖的で地元を大事にするところなので、
名大に行かせようとする親御さんは多いですし、
やはり名古屋大学にどこかよりどころを求めているようにも感じます。
他の地域でもこのような傾向は多々見られると思います。
(埼玉でしたら、
「埼玉大にはいるのは極めてすごいことだ」と思っている人は少なからずいると思う。)
こうやって国立大学は地域密着しているわけで、
大げさかもしれませんが、生半可の学力で国公立大学に入学すれば、
地域はもちろん、日本を結局崩壊させてしまうというわけです。
国公立大学に日本政府はそれなりに(いやかなりだと思うが)
お金を費やしています。それは東大や京大をはじめとした
力のある国立の研究費等を見ればわかります。
だから、国立大学に入ろうと思っている人は自分の学力に
プライドを持ってください。
人よりちょっと大目に知識を詰め込まなきゃと思ってください。
日本で国立大学に入ることは、少なからず国に貢献する可能性があると
思っていてほしいです。
その意味から、私は国立が難易度を上げたり、定員数を減らして、
学習意欲が高い学生を取ろうとするのはいい動きだと思います。
特に今年は東大や京大の医学部を受験しようと思っている学生が
いくらかいるので、もう少し発展させた形で、
日本のエリートとしてのリーダーシップ論を展開しています。
というわけで、国立志望者の人は意識を高くして本当に勉強してください。
お金が安いというちょっと安易な理由でもいいですので、
どこかにこのような考え方もあるんだということを
頭の片隅にでもあると、少々意識が高まるのではないかと思い、書いてみました。
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