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気を抜いてはいけない。

今日、生徒の中でいい成績を取ってうかれていて、

そこまではよかったものの、宿題を忘れたうえに言い訳をしたので、

激怒して叱りつけました。

思っていた以上に成績がよかったので、

舞い上がる気持ちもわからなくもないのですが、

先生という立場上、それを見過ごすわけにはいきません。


しかし、叱咤した後、私はちょっと心が痛くなりました。

実は同じようなことが私の経験上思い当たったからです。

大学三年生のときに、

私はスウェーデン行きが決定して、

そのあと1年間勉強してからスウェーデンに乗り込むことになっていたのですが、

決まってから3ヶ月ぐらいはうかれにうかれ、

勉強はそれなりに、大学の友達と交流したり、

ウェディング・コーディネーターの仕事をして資金稼ぎに没頭していました。

読書に関しては、硬い本を一切読まず、映画と現代のポップな書物にあけくれ、

どんどん考えが浅はかになり、ただその時代の流行に流されていました。

しかし、そんな生活に終止符を打つ事件が起こります。

大学でTOEFLというテストを受けることになっていた日です。

私はある友人に「テニスをやらないか」という誘いを受け、

快諾してしまい、テスト10分前までテニスをしていました。

しかし、不幸なことに(幸運なことに?)、

恩師である教授がタクシー越しに私の姿をみつけ、

目があってしまい、

そのテストが終了した次の週の授業で大激怒。

そして、先生は私たちに、

池波正太郎の「貨幣に関する~」という見出し(はっきり忘れた)のコピーを渡し、

これまでに先生の口から聞いたこともないほど大きな声で、

「お前らは勘が悪すぎる。勘を働かせずに今を生きすぎている。

今、お前らがしなければならないことはなんだ?

どうして英単語のテストで大半のやつが20点だ30点だというスコアをとっても、

へらへらして俺の授業にいるんだ?

単位はみんなにあげるから、やる気がない奴はこなくていい。

日本でのたれ死んでください。」


これを聴きながら、私は自身の情けなさや、弱さや、もろさを知りました。

そして、私はスウェーデンに行くべき人間として大学から推薦されて、

そんなことぐらいのことで調子に乗って、

ただ行って、経験を積んでくることこそが目的になっていた自分に、

いらだちを覚えました。

それから、先生に謝りにいったのですが、

「私はそんな平謝りはいらない。おバカさんですむからいいけどさ、

まあ夏休み明けのテストで証明してよ。」

と言われ、

先生の穏やかな口調の中にも、ものすごい陰鬱な響きが含まれていました。

それから、深夜バイトをしながら資金稼ぎはしつつも、

その合間を縫って、平日は20時間は英単語と英語の読み取りに励み、

血便が止まらないぐらい勉強していました。

それは先生に裏切られたらどうしようという恐怖と、

スウェーデンで同じ留学生になめられたらどうしようという恐怖と、

出来なかったら自殺してしまうかもしれないという恐怖と、

とにかくさまざまな恐怖と闘いながらスウェーデン留学に臨みました。


そんな気持ちをもって受験をすれば、

私はたいていのところはかなり大きな逆境が立ちはだかっても、

乗り越えることができると思います。

叱咤のなかには、そのような気持ちをこめて

生徒にメッセージを伝えています。

そして、今回もそんな気持ちをこめて怒りました。

私の叱咤の後に、その生徒は下を向きながら、

「僕は早稲田に行くために、偏差値で次は65とって、

その次は67を取って、最後の最後に70取ります。」

と言い張って問題に取り組んでいました。

そういう根性があるから、私はその生徒を放っておきたくないし、

意地でも早稲田に行かせてあげたくなります。


そして、できれば彼や私の生徒たちには、

「勉強の中にある大きな恐怖があるから、

実は勉強は楽しいし、勉強にはロマンとスリルがあるのだ」

と教えてあげたいです。


それこそ、学問の初心者における最も重要な精神であり、

私はそれを植えつけた状態で生徒さんたちには、

大学の門をくぐっていってほしいと思います。


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cancan
Posted bycancan

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