芥川 龍之介 「鼻」
2007-09-20 Thu 00:54
羅生門・鼻 羅生門・鼻
芥川 龍之介 (2000)
新潮社

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芥川龍之介の初期の作品。「鼻」のほかに、「羅生門」なども同時に「新思潮」に出している。

内容はとっても短い。内供の鼻が天狗の如く長く、弟子におさえてもらわないと食事もままならないくらいにでかい。そのことことに、内供は悩む。そして、周りの目を気にする。しかし、ある日、ある弟子が大陸から鼻が萎縮する術を手に入れて、それを試そうとする。その術とは、鼻を熱湯につけて、そのあとに、踏むというもの。内供は実際にそれを試みた。その結果、誠に彼の鼻は萎縮し、鍵鼻と同等なくらいにまでなった。しかし、長い鼻に見慣れていた周りの人々は、鼻が短くなったのを見て、さらに笑いをこらえられなくなった。この事態に、彼は、「人とはエゴに満ちている」と悟り、結局また鼻はある病気で元に戻り、そのおかげで彼の自尊心は保たれた。

芥川の初期の作品は、宇治拾遺物語などの古典をモチーフにしたものが多い。これは、岩波新書の「芥川龍之介」という本の中で、彼の育ての親(おば)が彼の幼少時代に本を読ませて、聞かせてあげたことで、彼の知性の源は、この読書にあると述べている。だがら初期の作品は結構読みづらいが、趣深くも思える。

そして、この内容の真意である「人間のエゴ(利己主義)」をうまく書いている作品である。
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