川北 稔 「知の教科書ウォーラーステイン」
2008-01-18 Fri 21:59
知の教科書ウォーラーステイン (講談社選書メチエ)知の教科書ウォーラーステイン (講談社選書メチエ)
(2001/09)
川北 稔

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ウォーラーステインの入門書といっていい本でしょう。ウォーラーステインが誰で、どんなことを研究している人かというのがよくわかりますよ。まあ周知の事実でしょうから、「世界システム論」といってしまいますが・・・。でも、この本のすごいのは、本の第3章に、「三次元でのウォーラーステイン」ってのがあるのですが、これがとても興味深い。例えば、川北稔氏のおかずと砂糖の話を、ウォーラーステインの世界システム論をつかって考えている。なかなかこれは言及できませんよ、マジで。他にもあるのですが、この物語たちはウォーラーステインの世界システム論がどんな分野にも適応できるってのを証明しているのがよくわかった。決して深い内容じゃないが、とても面白い。というか、勉強がすきになりそうな話ばっかで、必読です。すぐ読めますよ。あと、ウォーラーステインの知らない人でも、言葉の解説があるから、読みやすいと思います。
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Arthur Golden 「Memoirs of a Geisha」
2007-10-01 Mon 15:03
Memoirs of a Geisha (Vintage International) Memoirs of a Geisha (Vintage International)
Arthur Golden (2005/11/29)
Vintage Books

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映画「SAYURI」の原作。キレイな英語で書かれていて、日本の伝統工芸や情景を表現はとても素晴らしいものだったと思う。日本の「芸者」の美しさを、客観的にみることができた気がした。映画もとても美しいので必見。でも、正直なところを言うと、英語でやるより日本語すべてやったほうがよかった。これは日本人としての欲なんだろうが。
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ウィータ 「フランダースの犬」
2007-09-25 Tue 01:25
フランダースの犬 (洋販ラダーシリーズ) フランダースの犬 (洋販ラダーシリーズ)
ウィーダ (2005/07)
アイビーシーパブリッシング

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ウィータの少年文学の傑作。日本ではアニメにもなった。私はこの作品に少しだけなじみがあった。というか、日本の茶の間ではなじみがあると思う。それは、いつも「最終回のダイジェスト集」みたいなもので、必ずこの物語の最終回は上位にランクされるからである。だから、私が思うに内容は知らないが、最終回だけは知っているという人間は多いのではなかろうか。そして、私はそんな人間の一人だったわけで、せっかく推薦図書を漁っていたわけで、読んでみた。少年じゃないけどさ。

この内容には、今の世の中で、忘れられがちなテーゼがたくさん詰め込まれていた。私がいつも思うことであるが、「お金でしか幸せの価値をはかることができない人間は、精神的に貧しい」というようなことが、この内容すべてのテーマになっているのではないか。

実際に、乞食に近い生活をしていた少年ネロとパトラシエは、美しい心を持った人間だったが、お金がないと言うだけで、アロアの父は、アロアを彼に近づけようとはしなかった。しかし、彼がなくした大金を、ネロとパトラシエは見つけて届けてもらったという事実を知って初めて、彼の行為が愚かな、そしてただ意固地になっていて、プライドが優先されていた行動であったことに気づき、我に返ったのである。

お金で、人間の権威や欲望は計ることはできるが、人の心のよりあしは不可能である。現代を生きる人間は、特に日本とアメリカの人々は、この精神を忘れているように思える。アメリカなんて、頭がいい=金持ちという方程式ができているほどである。若者が平気で、「頭がいいのにどうしてお金がないの?それは頭が悪いことと比例する」というので、恐ろしい時代である。そして、日に日に人間の心は、我々がもともともっている精神の脆弱性をつつかれているのである。

その点、ヨーロッパの人間は比較的穏やかである。アメリカの金持ちとヨーロッパの金持ちは、まったくといっていいほど精神性が異なることが多い。私が出会ったドイツの銀行の御曹司は、私がスウェーデンを去る前日まで、自分が御曹司だったことを明かさなかった。その謙虚さに私は脱帽だった。自分の金もちっぷりを誇示しないところに、アメリカ人の金持ちよりも気品があって好きだし、この「フランダースの犬」のような内容が、幼少時代から植えつけられているんじゃないかと思う。

教育にいい作品ですね。
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リチャード・バック 「Jonathan Livingston Seagull」
2007-08-16 Thu 10:58
かもめのジョナサン - Jonathan Livingston Seagull【講談社英語文庫】 かもめのジョナサン - Jonathan Livingston Seagull【講談社英語文庫】
リチャード・バック (2007/02)
講談社インターナショナル

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小学校の推薦図書などでよく見られる作品。邦題は「カモメのジョナサン」ね。それを英語で読んでみたわけですよ。まあものすごくアメリカ文学って感じ。

私が思うアメリカ文学は、物事がはっきり書かれているっていうのと、必ずうまくいくみたいな感じHappy Endが待っているってのがお決まりのパターンって気がする。まあ実際にはよくわからんのだけど(笑)

カモメの生涯とは、とても退屈で、「生きている」というより「死ぬのを待っている」というような生涯であることを知り、カモメのジョナサンはその生涯に満足をしているというか、何もアクションを起こそうとしないカモメの仲間達にがっかりしていた。ジョナサンは、そんな生涯を送りたくないと思い、高速飛行やあらゆる飛行法に挑戦し、カモメにも限界を超えられるんだということを証明すべく、そして、カモメも目標や野望を持って生きているんだということを証明すべく、彼は群れを離れて飛ぶ練習をしていた。

これがジョナサンのスタートであり、このあと彼にとってあらゆる概念が変わっていくわけである。いろいろ学習していき、すべてを手に入れた後には、ジョナサンのように野心を持った好奇心旺盛なカモメに、ジョナサンが手に入れたすべてのものを授けた。

この本は、中島敦の「名人伝」に似ている。結局最後は、弓矢をも使わずに、獲物を射止めることができるようになるというように、ジョナサンも最後には自分が出したいスピードを容易にだすことができるようになったわけである。

「極める」ということは、ただ一つのことを、それは例えば、記録とか数字とか目に見えた結果だけを追い求めているだけでは「極めた」とはいえない。極めたものを人に授けるために、本の中では「人を愛すること」と書かれていたが、相手に対しての慈悲の心が必要になってくるんじゃないかということを、本の中で教えてくれた。

しかし、私が思うに、この境地に行くためには、己が限界に触れるまで切磋琢磨に精進しないかぎり、到達できないのではないのだろうか。たとえその努力が、常軌を逸しているとしても…たとえ、それが他人が批判する行為だったとしても。

メジャーリーグに行く前、昔の近鉄バッファローズにいた野茂英雄は、マスコミに批判されまくっていた。しかし、彼が言った一言はこうだ。

「凡人は、いつも挑戦者を揶揄する」

私は、このことばが心にしみた。私は野球を生まれてこの方やったことはないが、彼の精神性は伝わった。それは、私が他人に批判され続けても、英単語の丸暗記に徹して、留学を勝ち取ったという経験があるからだ。むろんいうまでもなく、後に彼はメジャーで2回もノーヒット・ノーランを達成する日本最高峰のトルネード投法のピッチャーとなったわけである。

すべてにおいて、限界があるんだと思った瞬間、非凡から遠ざかる。非凡がいいことではないという人間がいるが、私からしたら、それは目の前にある障害から逃げて、自己満足の境地に浸っているだけである。現状に満足していたら、人間は進化しない。特に日本人は、あらゆるものが周りにあるが故に、満足しきっている人が多い。しかし、日本人が気づいていないのは、その満足は所詮はお金で買っているのであり、有限なものであること。知性や能力は無限であることを、彼らは忘れ始めている。

もっともジョナサンみたいな努力ができる野心家がもっと現れたら、日本はアメリカのような完璧な競争社会が完成するであろうが。
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